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時々思い出します。
小学校のとき。
フランスにすんでいたころ。
よく、学校の遠足とか、家族でのおでかけとかで
お城見物にいきました。
ヨーロッパのお城は、石でできていて
うすぐらくて、少し涼しくて、大きくて
中に入ると少しかびくさくて、
空気が当時のまま、残されているような気分になります。
小さいわたしには、お城の説明はよくわからなくて
あまり覚えていないのですが
一番印象的だったのが、どこかのお城の地下牢です。
薄暗くて寒い地下牢には、窓が一つだけとりつけられていて
その窓によじのぼると空が見えます。
窓のへりは、石なのに囚人達がなんどものぼったあとですりへり
壁には十字架やなにかの言葉がたくさんほられていました。
彼らが、あそこによじのぼり、
小さな隙間から空をあおぎ、祈りの言葉をつぶやきながら
ほったんだと思って・・・
なんだか、ずっと、忘れられないでいます。